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のんびりフィジーでシステム開発⑤


Bula!

前回までフィジーの時間の流れや方や仕事観について書いてきましたが、
チームを組んでプロジェクトを進めるうえで、
もう一つ気をつけなくてはならないポイントがあります。

これは現地で休暇をとって離島に遊びに行ったときの話です。
予約していた飛行機が悪天候で欠航だというので、仕方なく船を使いました。
しかし、数日後に飛行機会社から料金が引き落とされました。

さっそく私はカスタマーセンターに電話をしましたが、対応したオペレータA氏は「お前は飛行機に乗っているから返金には応じられない」をオウムのように繰り返すだけです。

飛行機の欠航が決まったのはフライトの1時間くらい前です。私はそのときすでにチェックインしていたんですが、欠航が決まった後にキャンセル処理をしていなかったのでしょう。客が欠航でフライト自体が無かったと何度も説明しても、オペレータA氏の操作するパソコン画面には「checked-in」の文字が表示されているわけです。

こういう場合、担当者や上司に一声かけて欠航の事実を確認しますよね?
ダメだこいつ、話にならん。。。と思った私は、翌日別のオペレータB氏に同じ話をしました。するとオペレータB氏は「それはすまなかった。返金処理をしたいが今は担当者がいないので少し時間がかかる」と言いました。ああ、今度は話の通じるやつだった、と一安心した私ですが、1週間ほど経っても何の音沙汰もありません。

ややキレ気味の私が再びカスタマーセンターに電話すると、今度はオペレータC氏が出てきて、まったく同じ話を再びするはめに!
しかし、オペレータC氏も私の期待に応えることはありませんでした。。。
そんなことを数回繰り返しているうちに、もはやフィジー人に対する寛容さを失った私はバスで2時間かけて窓口まで行き「法的手段に出るぞボケ!」と未使用チケットを机に叩き付けやっと自分のお金を取り返しました。はぁはぁ。。。

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窓口でやりとりして分かったんですが、この飛行機会社では不明な点や疑問があれば誰かに「相談する」とか、顧客がブチ切れているといったインシデントを上司に「報告する」とか、担当者が不在でも確実に「連絡をとる」とか、そういうコミュニケーションができていないんですよね。

そう、「ホウレンソウ」ですよ!社会人の常識ですね!?
この種の問題は、私のプロジェクトでもしばしば発生していました。
然るべき相手に然るべきタイミングで情報が伝わらない。

うーん、困ったもんですね。
時間を守らない、品質を気にしない、ホウレンソウの習慣もない。
そもそもプロジェクトを進めるための基本的なスキルがない・・・
途方に暮れた私はビールを飲みながら考えました。

あ、そういえばアレが使えるんじゃないか?あのちっとも使えないやつ。
なんだっけ・・・PMBOKだ!
そう、PMBOKには時間管理、品質管理、コミュニケーション管理・・・フィジアンが正しくプロジェクトを進めるためのノウハウがあるじゃないですか!ということで、Eラーニング導入プロジェクトのメンバーに、PMBOKをベースにしたプロジェクト運営方法を教えることにしました。とは言っても、PMBOKは彼らにとってToo muchなので、本当に必要な部分だけを抽出して利用します。

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次回は、フィジアン向けにカスタマイズしたミニマムPMBOKについて詳しく説明します。
MOCE!

 

 

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