コミュニケーションのフレームワークを使って「何が言いたいの?」を回避しろ! Part 2
- 2024年12月12日
- CATEGORY- 2. エンジニア力{思考}
前回の記事では、PREP法やSCQA、BLUFなど、要点を明確に伝えるためのフレームワークをご紹介しました。しかし、コミュニケーション上の悩みは、それだけではありません。
「過去の経験を効果的に伝えたい」「相手の関心をスムーズに引き込みたい」「クライアントに商品価値をわかりやすく説明したい」といった、さまざまなニーズに対応できるフレームワークがあります。本記事では、もう少し別の角度から役立つフレームワークを紹介し、さらなる「何が言いたいの?」回避策をお届けします。
1. STARモデル:経験談をわかりやすく整理する
面接や評価面談、経験共有の場では、単に結論を示すだけでなく、「あなたがどのような状況で、何を考え、どんな行動を取り、どんな成果につなげたか」をクリアに示すことが重要です。そこで役立つのがSTARモデルです。
- Situation(状況):当時あなたが置かれた状況は?
- Task(課題):あなたはその中でどんな役割・課題を抱えていた?
- Action(行動):具体的にどんな行動を取った?
- Result(結果):その行動の成果は何だった?
例:
「(S)プロジェクトの進捗が1週間遅れていた状況で、(T)私は進行管理担当として納期短縮策を考える必要がありました。(A)そこで各担当者とタスクの細分化と優先度調整を行い、外部リソースも検討。(R)結果として、予定通りの納期まで2日の短縮に成功し、顧客満足度向上につながりました。」
STARモデルを用いることで、相手は「この人はどんな能力を持ち、どんなアプローチで結果を出したのか」を明確に理解しやすくなります。
2. AIDAモデル:相手の関心を自然な流れで引き出す
プレゼンや商品紹介、マーケティングメッセージで、「相手の関心を徐々に高め、行動へつなげる」ことが求められる場合はAIDAモデルがおすすめです。
- Attention(注意喚起):まず相手の目を引く
- Interest(興味):相手の関心を深める情報を提示
- Desire(欲求):欲しい、使いたい、知りたいという気持ちを醸成
- Action(行動):最終的な行動(購入、連絡、登録など)へ誘導
例(商品紹介):
「(A)今話題の新型イヤホンが入荷しました!(I)このイヤホンは雑音を99%カットし、高音質を実現しています。(D)これがあれば、オフィスや通勤中でもストレスフリーなリスニング体験が可能です。(A)限定セールは今週末まで。ぜひ店頭でお試しください!」
この流れを踏むことで、相手は「要するに何がすごいの?」と迷うことなく、自分にとってのメリットと行動指針を得られます。
3. FABモデル:特徴から価値(ベネフィット)を明確にする
商品やサービスを説明するとき、「機能」はあっても「価値」が伝わらないケースがあります。そこで役立つのがFABモデル(Feature, Advantage, Benefit)です。
- Feature(特徴):製品・サービスの特性
- Advantage(利点):他より優れている点や有利性
- Benefit(便益):ユーザーが実際に得られる価値や恩恵
例(ソフトウェアの営業トーク):
「(F)このツールは自動でデータ集計を行います。(A)手作業が不要なので、報告書作成にかかる時間を半分以下に短縮できます。(B)結果として、あなたは分析に費やせる時間が増え、より戦略的な意思決定が可能になります。」
これにより、「何が言いたいの?」ではなく、「これを導入すると自分にどんなメリットがあるのか」が明確に伝わります。
4. GROWモデル:対話をスムーズに進行させるコーチングフレームワーク
上司やコーチング担当者、リーダーとして誰かとの対話を進める際、相手とゴール設定から具体的アクションまで導くのに有用なのがGROWモデル(Goal, Reality, Options, Will)です。
- Goal(目標設定):何を達成したいのか?
- Reality(現状分析):今どんな状況で、何が阻害要因か?
- Options(選択肢検討):達成のために取れる手段は何か?
- Will(意志・行動計画):実際に何をいつまでに行うか?
対話の中でこの流れを意識すれば、「結局、何が問題で、何をするんだっけ?」と迷走することなく、クリアな行動計画まで導けます。
まとめ
- 2024年12月12日
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