KEIS BLOGは株式会社ケイズ・ソフトウェアが運営しています。

KEIS BLOG

コミュニケーションのフレームワークを使って「何が言いたいの?」を回避しろ!


職場でもプライベートでも、「結局、何が言いたいの?」と聞き返された経験はないでしょうか。自分としてはわかりやすく伝えたつもりでも、聞き手からすれば要点が伝わっていないのです。これでは貴重な時間も信頼も失いかねません。また、「上司が全然自分の話を聞いてくれない」「途中でさえぎられる」なんて不満を持ってませんか?

「コミュニケーションのフレームワーク」を意識するとそんな上司やお客さんとのコミュニケーションがスムーズになるかもしれません。これらは単なる話し方のテクニックではなく、「言いたいことを整理し、聞き手にストレスなく伝える」ための思考と構造化のツールです。本記事では、代表的なフレームワークを活用して、二度と「何が言いたいの?」と言われないコミュニケーション術を紹介します。

なぜフレームワークが必要なのか

情報があふれる現代、結論を後回しにしたり、脈絡なく話してしまうと、相手はすぐに「要点は何?」「聞く価値あるの?」と感じてしまいます。フレームワークは、発言の土台を整え、ロジカルな流れを作り出すことで、要点をクリアに示す手助けをしてくれます。

代表的なフレームワークと使い方

1. 結論先行の定番「PREP法」

PREPは「Point(主張)-Reason(理由)-Example(例)-Point(主張再掲)」の頭文字を取った手法です。

  • Point(主張):まず最初に言いたいことをはっきり提示する
    例:「今日の提案は、プロジェクトAの工期短縮案です。」
  • Reason(理由):なぜそれが重要なのか、必要なのかを示す
    例:「現状、納期が1週間後ろ倒しになっており、顧客満足度が低下する恐れがあります。」
  • Example(例):具体的な事例やデータで納得感を高める
    例:「過去に同様の手法で進めたプロジェクトBでは、納期を2日短縮できました。」
  • Point(主張再掲):最後にもう一度結論を明確化
    例:「よって、今回もこの短縮策を採用することで、納期遵守と顧客満足度向上が期待できます。」

この構成なら、相手は最初から「何について話しているのか」「なぜ大事なのか」が分かるため、「何が言いたいの?」とはなりにくくなります。

2. ストーリー性で惹きつける「SCQAフレームワーク」

SCQAは、Situation(状況)-Complication(複雑化/問題)-Question(問い)-Answer(解答)の流れで相手を自然に結論へ導きます。

  • Situation(状況):現状をシンプルに共有
    「現在、プロジェクトAはスケジュール通りに進行中です。」
  • Complication(問題):潜在的な課題や不安要素を明示
    「しかし、最近の人員不足で一部タスクの遅延が懸念されています。」
  • Question(問い):何を解決するべきか問いを立てる
    「この遅れをどうやって最小化できるでしょうか?」
  • Answer(解答):提案や結論を提示
    「タスク分担の見直しと外部リソースの一時投入でスケジュールを維持可能です。」

この流れなら、相手は自然と「結論」を聞く準備ができ、最後に提示された答えをスムーズに理解できます。

3. ビジネス文書で大活躍「BLUF(ブラフ)」

BLUF(Bottom Line Up Front)は、「結論を先頭に置く」というシンプルな原則です。メールや報告書で特に有効で、冒頭で「今回伝えたいこと」を明記すれば、その後の詳細説明を読む前に「何が言いたいのか」を相手が把握できます。

例:
本件は、プロジェクトAの納期短縮策に関する提案です。 以下に、その理由と具体策を記します。」

こうすることで、読み手は最初から「何について読んでいるのか」を理解した上で本文に入るため、ストレスなく要点を追えます。

どのフレームワークを使えばいいの?

  • 時間がないミーティングや口頭説明なら「PREP法」で素早くポイントを押さえる。
  • ストーリー性を求める場面では「SCQA」を使い、聞き手の関心を高めながら自然と結論へ。
  • 文書やメールでは「BLUF」で一目で要点を示し、忙しい相手でも理解しやすくする。

場面や目的に応じてフレームワークを選択・組み合わせることで、伝え方の質は劇的に向上します。

おわりに

「何が言いたいの?」と問われるたびに、私たちは「もっと上手く伝えられないものか」と悩みます。しかし、コミュニケーションのフレームワークを取り入れることで、この悩みはかなり軽減されます。結論を明確に、理由を筋道立てて、例を挟み、最後にもう一度主張を確認する――そんな小さな工夫で、あなたのメッセージは格段に「伝わる」ものになるのです。

次のプレゼン、ミーティング、メールで、ぜひこれらのフレームワークを試してみてください。あなたの伝え方は、もう「何が言いたいの?」とは言われないはずです。