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tmux運用作業で使う時の最低限!初心者でも安心の基本ガイド

運用作業やシステム管理を行う際、ターミナルでの効率的な作業は欠かせません。その中でも「tmux」は、ターミナルマルチプレクサとして多くのエンジニアに愛用されています。しかし、tmuxの独特な用語や操作方法に戸惑う初心者も少なくありません。この記事では、tmuxを運用作業で使う際に最低限知っておきたい基本的な使い方と用語の解説を行います。

目次


tmuxの基礎知識

tmux(terminal multiplexer)は、単一のターミナルセッション内で複数の仮想ターミナルを管理・操作できるツールです。これにより、複数の作業を同時に進めたり、リモートサーバーとの接続が切れてもセッションを維持したりすることが可能になります。そう!リモートサーバとの接続が切れても大丈夫なんです!!

tmuxの主要なコンセプト

tmuxを効果的に利用するためには、以下の主要なコンセプトを理解することが重要です。

  • セッション(Session):tmux内で管理される独立した作業環境。複数のセッションを同時に保持できます。
  • ウインドウ(Window):セッション内でさらに分割された作業スペース。各ウインドウは独立したターミナルとして機能します。
  • ペイン(Pane):ウインドウ内をさらに分割した小さなターミナル領域。複数のペインを利用して同時に異なる作業を行えます。

これらのコンセプトを理解することで、tmuxを使った効率的なターミナル操作が可能になります。

基本的な操作コマンド

tmuxを始めるための基本的なコマンドを紹介します。これらを覚えることで、tmuxの基本的な操作が可能になります。

セッションの作成と管理

# 新しいセッションを作成(セッション名: mysession)
tmux new -s mysession

# 現在のセッションからデタッチ(バックグラウンドに移動)
Ctrl + B, D

# セッションに再アタッチ
tmux attach -t mysession

# セッション一覧を表示
tmux ls

# セッションを終了
exit

ウインドウの操作

# 新しいウインドウを作成
Ctrl + B, C

# ウインドウ間を移動
Ctrl + B, N # 次のウインドウへ
Ctrl + B, P # 前のウインドウへ
Ctrl + B, 数字 # 指定した番号のウインドウへ移動

# ウインドウを閉じる
exit

ペインの操作

# ペインを水平に分割
Ctrl + B, "

# ペインを垂直に分割
Ctrl + B, %

# ペイン間を移動
Ctrl + B, 矢印キー

# ペインを閉じる
Ctrl + B, X

ペインとウインドウの管理

tmuxでは、ペインとウインドウを効率的に管理することで、作業の効率を大幅に向上させることができます。以下に、ペインとウインドウの効果的な管理方法を紹介します。

ペインのリサイズ

# ペインのサイズを拡大/縮小
Ctrl + B, Ctrl + 矢印キー

ペインのサイズを調整することで、各作業スペースの見やすさを最適化できます。

ウインドウのリネーム

# ウインドウのリネーム
Ctrl + B, ,

ウインドウに名前を付けることで、複数のウインドウを効率的に管理できます。

ウインドウの移動

# 現在のウインドウを指定位置に移動
Ctrl + B, :move-window -t 0

ウインドウの位置を変更することで、作業の流れに合わせて整理できます。

便利なショートカット

tmuxには多くの便利なショートカットが用意されており、これらを活用することで作業効率をさらに向上させることができます。以下に、覚えておくと便利なショートカットを紹介します。

  • Ctrl + B, S - セッション一覧を表示
  • Ctrl + B, : - コマンドラインモードに入る
  • Ctrl + B, [ - スクロールモードに入る
  • Ctrl + B, ] - バッファからテキストを貼り付ける
  • Ctrl + B, D - セッションをデタッチ(バックグラウンドに移動)

これらのショートカットを活用することで、tmux内での操作が格段にスムーズになります。

実践的な活用例

tmuxを実際に運用作業でどのように活用できるか、具体的なシナリオを紹介します。

リモートサーバーでの作業維持

SSH接続中にネットワークが切断された場合でも、tmuxを使用していれば作業内容がセッション内に保持されます。再度SSH接続後、tmuxセッションに再アタッチすることで、途切れた作業を継続できます。

# SSH接続後にtmuxセッションに再アタッチ
tmux attach -t mysession

これにより、長時間の作業や重要なタスクを中断せずに進めることが可能です。

複数の作業を同時に進行

一つのtmuxセッション内で複数のウインドウやペインを作成し、異なる作業を同時に行うことができます。例えば、一つのウインドウでコードを編集し、別のウインドウでサーバーのログを監視する、といった使い方が可能です。

# 新しいウインドウを作成
Ctrl + B, C

# ペインを水平に分割
Ctrl + B, "

これにより、効率的なマルチタスクが実現し、作業の流れを妨げることなくスムーズに進行できます。

まとめ

tmuxは、運用作業やシステム管理を行う際に非常に便利なツールです。セッション、ウインドウ、ペインといった概念を理解し、基本的な操作コマンドを習得することで、ターミナルでの作業効率を大幅に向上させることができます。

特にリモートサーバーとの接続が切れた際にも作業内容を保持できるため、安心して長時間の作業を行うことが可能です。初心者でも基本的な使い方を覚えれば、その便利さを実感できることでしょう。ぜひtmuxを導入し、効率的なターミナル作業を体験してみてください。


参考資料